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2020.10.27 最終確認

DSCF0249C13
特記なきはすべて新品商品
アナログボードと電源ユニットの修理
 +5V 電圧を確保する  〜

SE/30の時代のロジック回路はTTL-IC時代ですので、各ICには+5Vのプラスマイナス10%、つまり4.5V〜5.5Vが供給されなければなりません。

CPUが動作して、HDDやフロッピーが読み書きして全負荷になったときにこの電圧値が確保されていなければ、Macは正常に動作できません。

 

一般のACダプタと同じように、電源ユニットは無負荷の状態では10%以上高い電圧になっています。

ところが、年数を経たSE/30は無負荷でも+5.0Vを超えるものは半分以下しかありません。

これではシマシマックの原因になるだけではなく、PDS増設カード類も満足にドライブできません。

 

出力電圧の調整方法

SE/30で一番電圧を測りやすいのはHDDの4P電源コネクタの+12V(オレンジ)と+5V(赤)です。12V側は5V側に連動するので、5Vのほうだけ調整します。

+5Vの端子をテスターで測りながら+5.25Vになるように調整します。

調整箇所は、SONY製CR-44電源ユニットでは以下の写真の青いボリュームRV251です。

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SONY製CR-44 電源ユニットの黄色い点線枠の青いボリュームRV251(1kΩ)で調整

手持ちの電源ユニットでは、無負荷でこのボリュームが左いっぱいのときに+4.4V、右いっぱいにまわして+5.5Vでした。

ドライバーで+5.25VになるようにリュームRV251を調整したとき12V側は+13.72Vでした。

無負荷で+5.25Vにしておけば、実負荷さらに最大負荷がかかっても、それを超えることはありません。

   (+5.5Vまであげても大丈夫ですが、ここは基準値のプラスマイナス5%におさめておくのが無難です)

 

電源電圧調整ができるのはSONY製のみで、ASTEC製、AcBel製の電源ユニットには調整ボリュームがありません。(はず)

なんちゃってSE/30強化電源ユニット(250W)の製作

手持ちの電源ユニットの1台が、本来+5Vの出力端子が、電解コンデンサを新品にして前項の調整ボリュームをまわしても、直列に入っている固定抵抗を変更しても、アナログ/ロジックボードをつないだ状態で最大+4.87V(無負荷で+5.16V)までしか上がらず、電源を入れても「画面が真っ暗」だったので、かねてより購入準備しておいた、Windows用Flex ATX電源を移植することにしました。

手持ちのSE/30は負荷状態で+4.95V以上はないと、安定した動作にはならないようです。

SE/30用電源ユニットの修理に執念を燃やす方はともかく、普通になおればいいとか、増設PDSカードの使用などで+4.95V以上の安定した電源供給が必要ということなら、市販の200-250WクラスのFlex ATX電源の中身を移植すれば簡単に解決します。

まず、オリジナルSE/30用電源ユニットの出力概要です。

出力電圧(製品ラベル表示

SE/30の出力線

ATX電源の出力線

DC +5V

6.0A

× 2

× 2

DC +12V Sweep

1.25A

DC +12V Disk

2.1A

DC -12V

0.5A

SE/30 は75W電源(公式Service Guide に記載)と、いまでは考えられないくらい小電力です。

SE/30 の電源ユニットは前方部分が傾斜し、スイッチ部分のお尻が出っ張るという変則形状ですが、傾斜とスイッチ部分を除けば、このオリジナルケース内に 長方体を配置しようとすると、最大 幅147×高108×厚50mmサイズの長方体が完全に収まります。(さらに傾斜部分にも最小で幅40×高85×厚50mmの長方体空間が確保できます)

 * *

世界標準ともいえるWindows機のミドルタワー用ATX電源では、現在650W〜750Wクラスが一般的ですが、スリムモデルには400W程度までの小型のmicroATX用のSFX電源が使われています。(自作PCの場合は、ケースとセットになっているので単品売りは少ない)

さらにmicroATX規格の派生であるFlexATX規格の電源は、立方体に近いSFX電源にくらべて形状が細長く、外装ケースの規格サイズが幅150×高81.5×厚40.5mmと、ケースのままでもSE/30電源ユニット内にそのまま収まるコンパクトさです。この中身の基板ユニットを移植することにしました。

Flex ATX電源は国内ではヤフオクなどで新品が入手可能ですが、筆者は新品電源ユニットの250Wモデルのファンつきを米国から輸入しました。(現地価格 2,800円ぐらい)

P1010738c2a2 P1010738c2a2a P1010738c2a2b

米国で売られているHP Pavilionシリーズ互換品

各出力とも余裕です

ユニットを取り出したところ

製作の流れとポイント

115V/240V切換えスイッチを、そのままリード線で基板上に直結します。

Windows用のATX電源は緑色の「Power on」のラインがGNDに落ちることで、ATX電源の電源回路がONしてフル稼働する仕組みなので、24(20)ピンコネクタの16番の緑の線のランド(基板上の丸)をそのまま適当なリード線でGNDに直結します。(大きな電解コンデンサのマイナス端子など)

使わない+3.3V(橙)、+5V standby(紫)、Power good(灰)は基板から出ている線を短くカットします。(残った線の先端をテープなどで保護する)

コネクタに配線する赤2本、黄2本、黒5本は、ATX電源ユニットからまとまって数本出ているうちのどれを使ってもかまいません

 

出力コネクタの作り方は二通り。

  (a)出力コネクタのワイヤーハーネスは10ピン用を新規製作

      ハウジング(モレックス5557-10R)、メスコンタクト(モレックス5556TL)、かしめ工具(エンジニアPA-21、芯線1.9/被覆2.1)

      作業中、配列を間違った場合は、ピン引き抜き工具(モレックス57031-6000)で引き抜く。(工具が高いので作り直すほうが賢明)

  (b)入手がめんどくさければ、SE/30オリジナル電源ユニットから出力コネクタ(10ピン)切り取って、ATX電源の相対するリード線に付け替え

 

【電源ユニットの実装手順】

1.6mm厚のグラスエポキシ基板(秋月650円)を元の純正ユニット基板と同じサイズにカットし、3本の3mmビスで外装ケース底部に固定します。

上記基板上に、Flex電源ユニット固定用の5mm高の樹脂スペーサー(秋月30円+ナット10円)を立てて、「親ガメ子ガメ」式で同ユニットを固定します。

電源スイッチから出た線を、もとの2P出力コネクタの手前でカットして、そこからリード線で延長して電源ユニット上のAC100V入力にハンダ直結します。

付属の小型冷却ファンは本来は外に向かって中の熱気を排出する向きなのですが、今回は、ファンの排気が直接機外に出るわけではないので、ファンの風を逆向けにして放熱部分に直接当てて、その熱が電源ユニットフレームのパンチングメタルの穴を上昇してアナログボードの排熱ファンで外に出るようにしました。

SE/30 オリジナル電源のピンアサイン (アナログボード側)

[フック]

+12V Sweep

+5V

GND

GND

-12V

10

9

8

7

6

5

4

3

2

1

+12V Disk

+5V

GND

GND

GND

ATX電源に置き換えたピンアサイン (アナログボード側)

[フック]

+12V

+5V

GND

GND

-12V

10

9

8

7

6

5

4

3

2

1

+12V

+5V

GND

GND

GND

P1010738c2a2c P1010738c2a2a1 P1010738c2a2b1

純正電源ユニットではSweep用(赤)とDisk用(黄)の+12Vは個々に生成されていますが、本製作では+12V端子(黄)から共通取り出しですが問題なく動作します

ガラスエポキシのユニバーサル基板にそのままFlex電源ユニットを適当にのせてビス止め

発熱量もたいしてないが、どうせ余るのでファンを両面テープ止めで完成

結果は◎

出力電圧は、+5V端子が +5.04V (無負荷時 +5.21V)、+12V端子が +12.30V (無負荷時 +12.49V)でした。画面の揺れもありませんでした。

当店にはLANカードとビデオカードしかなく、負荷が大きいアクセラレータがないので、この電源ユニットがどの程度のパフォーマンスなのかよくわかりませんし、今後検証するつもりもありません。

付属の冷却ファンは除去したのではなく逆向きに配置しただけなので、冷却の効果は一定限確保されていると考えられるので、仮に排熱効果が落ちてしまったとしても話八割としても250×0.8=200 [w]は出るだろうと思いますし、一般論として風の向きだけで30%も電源効率が落ちるとは考えにくく、対流による全体の排熱ではなくむしろ熱源に直接風で冷却するほうが、熱源(Power MOSFETと放熱器)への冷却効果は高いと考えます。

もちろん電源ユニット内部全体の熱量についても、SE/30電源ユニット内の空間はほどんど隙間だらけのうえ、その上方に位置するアナログボードの排熱ファンによる対流排熱もあるので、常時200W超のような使い方でない限り、問題を生ずることはないはずです。

   (定格250Wと謳う電源ユニットが200Wも確保できないでは、PCをまともに駆動できません)

+12V sweep について

オリジナルSONYの回路図を読まれた方はすでにお気づきのことと思いますが、本記事では+12V sweep(アナログボードのビーム走査用電源)とハードディスク用の+12V Disk電源を、まったく区別せずに同じ基板上の出力ポイントから取り出しています。

+12V sweep 電源は、この電源をもとに水平走査駆動電圧、垂直走査駆動電圧が生成されるために安定度が求められます。この電圧が不安定だと、512×342ドットの長方形のMacの画面がゆらいだり、変形してしまいます。

オリジナルのSE/30(SE)の電源ユニット内部では+12Vの生成回路を2系統とし、+12V sweep 系統のみ、安定化のために後段にはSONY製ではサンケンSI-3122、AcBel製ではリニアテクノロジーLT1086CT-12の3端子レギュレータ(12V)を使用しています。(Disk 系統にはレギュレータは不使用)

本製作においても、別途、5V-12V昇圧型のDC-DCコンバータ基板(ストロベリーリナックス#16188または#12340)を、Flex ATXの+5V出力の後段に入れてから安定化された+12Vを出力10ピンコネクタの10番に入れようと考えましたが、1989年製のオリジナル電源ユニットとちがって、今回使用する電源ユニットは電源の安定供給を求められるCore i 時代の商品ですので、いずれの電圧出力も十分に安定化されていると判断し、最終的に、同じ+12V出力部分からそのまま2系統を取出す「共通取り出し」として、レギュレータは追加しませんでした。

なんちゃって...

「・・・の製作」と銘打つにはおこがましすぎるほど超簡単な手抜き製作なので、「なんちゃって・・・の製作」と題しましたが、それでも内容的には現行生産品の電源ユニット(統合コントローラーはHS8108)の「改造なしの移植」ですので、「SE/30強化電源○.○万円」となんら遜色のないハイパフォーマンスに仕上がっているのではないかと思います。

ユニバーサル基板のカット用にホーザン製の基板カッターK-110、ネジ穴あけ用に電動ドリルなど、それなりに工具が手元にあるので、ほとんど苦労なく完成しました。

ユニバーサル基板でベースを作ってスペーサーでそのうえに既成のユニットを載せる「親ガメ子ガメ」方式は、ベース部分をアルミ板などの金属で加工する場合に比べて、金ノコやカッターナイフでの加工も比較的容易で、ヤスリで簡単に修正でき、1.6mmと適度な厚みをもち、そのままガイドラインとして使える碁盤状のスルーホールが曲がりのない配置作業を補助するなどメリットは多彩です。

全材料費は航空運賃などをふくめて6,000円ぐらいでしたが、久しぶりの楽しい工作の2日間(正味5時間ぐらい)でした。

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